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裁判員制度 企業はどう対応していくのか?

平成21年5月21日から「裁判員制度」がはじまります。裁判員は、20歳以上の国民の中からくじにより無作為に選ばれるため、企業は従業員が裁判員に選出された場合の実務対応を考えておく必要があります。ポイントは次の4点です。

1.公民権の行使と考える

裁判員制度は「国民の司法参加」の実現を目的としており、公民権の行使と考え、法律上、労働者が裁判員になり仕事を休んだことを理由に不利益な扱いをすることを禁じています。

2.有給にするか無給にするか

裁判員制度参加により仕事を休んだ日の給与を、有給にするか無給にするかは各企業で定めることができます。
(財)労務行政研究所の調査(上場企業及び非上場企業290社からの回答)によると「通常勤務時と同様の有給扱い」「通常勤務時の賃金から裁判制度参加による日当を控除した有給扱い」が6割を占めています。

3.社内規定の整備

企業としてはあらかじめの措置として、社内規定で新たに「裁判員休暇制度」の新設や就業規則の見直しなど所要の規定整備をしておく必要があります。新規定を作成するか従来の就業規則「公民権行使の時間」の条文変更で対応するかは企業規模により決めることになります。又選ばれた場合、企業への届け出のルールも必要です。

4.情報漏洩の取り扱い

「裁判員の氏名、住所その他個人を特定するに足りる情報」の「公表」をしてはならないとされています。これは事件関係者等が、裁判員に接触することを防止する意味があるからです。したがって、企業としても情報管理の規則化をする必要があります。

(菅原)

裁判員制度 企業はどう対応していくのか?

平成20年10月1日、社会保険庁で運営していた健康保険(政府管掌健康保険)は非公務員型の法人として新たに全国健康保険協会が設立され、都道府県ごとに支部を設け、協会が運営することとなります。

業務内容は?

被保険者証の発行、保険給付、レセプト(診療報酬明細書)の点検、健診や保健指導等の保健事業等を実施します。健康保険への加入や保険料の納付手続については従来と同様に社会保険事務所において会社を通じて厚生年金の手続とあわせて行われます。ただし、任意継続被保険者の手続は協会で直接行います。

健康保険の給付はどうなる?

自己負担の割合や高額医療費の負担限度額、傷病手当金等の現金給付の金額や要件など、健康保険の給付内容は協会設立後もこれまでと変わりません。申請の受付は協会の各都道府県支部で行いますが、職員の巡回や外部委託により社会保険事務所等に窓口を設けることも検討中です。

被保険者証は?

10月以降順次、政管健保に加入されていた方には新たな被保険者証への切替えが行われます。これらの被保険者証の切替えの手続は会社を通じて行います。切替えが完了するまで現在の被保険者証は引き続き医療機関等で使用できます。

保険料は?

協会設立時の保険料率は政管健保の保険料率(8.2%)が適用されます。その後1年以内に都道府県毎に地域の医療費を反映した保険料率を設定することとなります。都道府県単位の保険料率の場合、年齢構成の高い県ほど医療費が高く保険料率が高くなったり、所得水準の低い県ほど同じ医療費でも保険料率が高くなることから、年齢構成や所得水準の違いは都道府県間で調整した上で地域の医療費を反映した保険料率を設定することとなっています。また、都道府県別保険料率への移行に当たり、保険料率が大幅に上昇する場合には激変緩和措置を講ずることとなっています。

(青木)


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