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シリーズ:労働時間管理を考える
前回は、会社で拘束している時間は基本的に労働時間となりますが、その拘束時間とはどういうものか具体例でみてきました。そして、拘束時間の長さに応じて賃金を支払う必要があることも確認しました。しかし、労働基準法では、拘束時間の長さによらず賃金を決定してよい制度が3つあります。今回はそれを見て行きたいと思います。
です。それぞれ、解説していきましょう。
1. 管理・監督者とは「監督もしくは管理の地位にある者」です。一概に役職で判断できませんが、部長や課長職以上の方が対象となります。管理・監督者の方には、労働時間、休日及び休憩の規制が適用されません。よって、時間外労働という考え方が無いことになります。
2. 事業場外労働の対象者とは「事業場外で勤務するもので、労働時間を算定し難い人」です。具体的には、外回りの営業職の方などが対象となります。この方には、あらかじめみなし労働時間を設定して、みなし時間分のみ賃金を支払えばよいことになります。
3. 裁量労働の対象者とは「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務」に従事する者か、「専門的業務」に従事する者が対象となります。具体的には、経営企画担当や、新製品の開発担当などが当ります。この方には、あらかじめみなし労働時間を設定して、みなし時間分のみ賃金を支払えばよいことになります。
以上3つの対象者において、割増賃金との関係をまとめると以下のようになります。
  時間外労働の割増賃金
支払い義務
深夜労働の割増賃金
支払い義務
休日労働の割増賃金
支払い義務
管理・監督者 ありません あります ありません
事業場外労働対象者 あります あります あります
裁量労働対象者 あります あります あります
裁量労働の対象者に時間外労働の割増賃金を払わないといけないの?と疑問に思われるかも知れません。この辺を含めて次回以降各制度を詳しく見て行きたいと思います。

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