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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、
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第103号 令和2年1月1日

~「年間5日以上」の年次有給休暇の確実な取得はできていますか?~

前号でも取り上げた通り昨年2019年4月1日より改正労働基準法が施行され、年間で5日以上の年次有給休暇の取得が義務となりました。この取得義務の対象となる方で一番早い期限を迎えるのが2020年3月31日となります。年度末に向けて忙しくなる前に、確実な取得に向けて、前号ポイントと併せて再確認をしていきます。

「年間で5日以上」の年間とは?

2019年4月1日以降に年次有給休暇を10日以上付与した労働者が対象となり、年間の考え方は以下のようになります。ちなみに2019年4月1日より前の付与は取得義務の対象外となります。

「年間で5日以上」の5日とは?

使用者は労働者ごとにその時季を定めることにより5日を与えなければなりませんが、労働者が自ら取得した日数、計画的付与にて年次有給休暇を取得した日数があれば取得義務の5日から控除することができます。

労働者自ら取得する年次有給休暇については、前年度からの繰越し分、当年度に付与された年次有給休暇のどちらであっても上記控除をすることができます。

「年間5日以上」の取得ができなかった労働者が1人でもいたら、罰則があるのか?

使用者は取得義務対象労働者に年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合、30万円以下の罰金に処せられます。この罰則は理屈上労働者ごとに成立すると考えられるため、5日取得させなかった対象者が100人いれば、3000万円以下の罰金まで科される可能性があることになります。実務的には罰則適用の前に、労働基準監督署の監督指導において法違反が認められた場合は原則としてその是正に向けての指導等が行われることがほとんどです。しかし、これからの実務運用次第により、大きな制裁が可能な法の仕組みとなっています。万一にでも法違反することのないよう、確実かつ十分な対策が必要です。

年次有給休暇取得義務化の法改正は、使用者に対して現実に年次有給休暇を取得させることを義務付けるものと考えられており、かなり厳しい内容です。これを徹底して実施していくために、まずは対象労働者全員が決められた日数を取得できているかをチェックしましょう。その上で更に十二分な対策として就業規則での対応や労使協定締結による対応など、さまざまな対応が考えられます。場合によっては複雑な手続きを要する可能性もありますので不明点等ございましたら事務所までご連絡ください。

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