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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、
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第114号 令和3年11月1日

テレワーク(在宅勤務)における在宅勤務手当の取扱いについて

働き方改革や新型コロナウイルス感染症対策のため、テレワークの実施を検討している事業所様も多いかと思います。テレワークの実施を検討するにあたり、対象者をどうするか、どのような業務をやってもらうかなどとともに費用負担についても決めておくことが必要となります。今回はテレワーク(在宅勤務)における費用負担のうち、在宅勤務手当についてご案内させていただきます。
テレワークや在宅勤務(以下、「在宅勤務等」という。)における費用負担については大きく2つの点の検討が必要となります。一つは交通費、もう一つは在宅勤務手当です。在宅勤務等においては通話料、インターネット利用料などの通信費や自宅の電気料金等、また机やいす等の備品にもお金がかかります。これらの負担に対応するため会社が支給するのが在宅勤務手当です。
在宅勤務手当を支給することとなった場合、その手当について社会保険(健康保険、厚生年金保険)や労働保険(労災保険、雇用保険)の取扱いはどうなるのかという疑問が生じます。また、時間外労働があった場合の割増賃金の計算の基礎に在宅勤務手当は含まれるのか?という疑問も生じます。
割増賃金の計算の基礎から除かれる賃金は、法律上明示されていています。その中に在宅勤務手当は入っていません。従いまして在宅勤務手当は割増賃金の計算の基礎に含まれることになります。ただし、当該手当が実費弁償であれば労働基準法でいう賃金に該当しないことから割増賃金の計算の基礎から除かれます。
社会保険や労働保険の保険料の対象となるか否かも基本的には同様の判断となります。結局、いずれにしても実費弁償であれば含まれないということになります。
実費弁償であるか否かは解釈の幅があり断定的に定義することは困難ですが、実際にかかった費用とつり合いが取れているかという点が大きいです。
従いまして、

  • 会社が事前に定額で払うのではなく、従業員が立て替え払いしたものを事後的に清算する
  • 在宅勤務手当を定額で支払い、実際かかった費用との差額を事後に清算する
テレワーク(在宅勤務)のイメージ のような方法であれば実費弁償と認められると考えられます。
いずれにしても取扱いに不明確な点が残るため、経団連では「2021年度規制改革要望」において、在宅勤務手当の取扱いについて勤務手当を割増賃金の計算の基礎から除くよう政府に要望しています。
なお、新たに在宅勤務手当を支給することとなった場合には、社会保険の随時改定(月変)に該当することもありますので確認が必要となります。(2等級以上変動の場合。

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