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平成19年3月1日
第26号

ワークバランス

職業生活と家庭生活との両立

少子・高齢化の進展から、妊娠、出産、育児、介護について企業の支援が必要となっています。これらについては、労働基準法、育児介護休業法に規制があります。

母性保護

産前・産後における母性保護についての規定は、主に労働基準法において定められています。その内容は、主に労働時間に関する配慮となっています。
ここで問題となるのは、産前・産後の休暇取得などに代表される休業日数や時間数に対応する賃金を会社が支払う必要があるかという問題です。これについては、就業規則等で支払いを規定している会社を除き、賃金の支払い義務は会社にありません。ただし、産前・産後休暇については、健康保険から約60%の所得保障としての出産手当金が支払われます。また、同じく健康保険から、出産について35万円の一時金が支給されます。
特に注意が必要なのは、妊娠中及び産後1年を経過していない妊産婦から請求があった場合、時間外・休日・深夜労働をさせてはならないという規定です。請求は口頭で行ってもよいのですが、会社として書面での請求をルール化しておくことが基本です。

育児・介護休業

近時、「ワーク・ライフ・バランス」が注目され、その重要な雇用管理制度として、育児休業制度があります。育児休業制度は、1歳未満の子をもつ労働者の申し出により、育児のために一定期間休業できる制度です。休業以外に、短時間勤務等も選択できます。また、子の看護のための休暇も請求できます。
介護休業制度は、介護を必要とする一定の状態にある家族をもつ労働者の申し出により、一定期間休業できる制度です。休業以外に、短時間勤務等も選択できます。
育児・介護休業ともに、男女を問わず請求できます。また、要件を満たせばパートタイマーや派遣社員も取得できます。休業中の賃金の支払い義務はありませんが、一定の条件を満たせば、育児休業・介護休業ともに雇用保険から、約40%の賃金保障があります。注意すべきこととして、育児・介護休業の取得申し出期間等には制限があります。ですから、会社は事前に取得申請・変更申請用紙等の取得手続のルール化が必要です。
なお、育児・介護休業等を取得した労働者に対して、会社が不利益な取り扱いをすることを禁止しています。たとえば、賞与や退職金の算定において、休業取得期間を超えて不利益な扱いをしてはいけないのです。

(川口)


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