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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、
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第42号 平成21年11月1日

インフルエンザ対策

新型インフルエンザは10月には本格的な感染期を迎えるとされており、人事労務管理面においては、従業員もしくはその家族が罹患した場合の休業の取り扱いおよびその際の給与取り扱いが大きな問題となっています。
そのような中、9月には厚生労働省より「新型インフルエンザに関連して労働者を休業させる場合の労働基準法上の問題に関するQ&A」が公表され、以下の5つのよくある質問に対する厚生労働省の見解が述べられています。
Q&Aは以下の通りです。(A.は弊社要約)

Q1 労働者が新型インフルエンザに感染したため休業させる場合は、会社は労働基準法第26条に定める休業手当を支払う必要がありますか。
新型インフルエンザに感染しており、医師等による指導により、労働者が休業する場合は、休業手当に支払いは不要です。
Q2 労働者に発熱などの症状があるため休業させる場合は、会社は休業手当を支払う必要がありますか。
新型インフルエンザかどうかわからない時点で会社の自主的な判断で休ませる場合は、休業手当の支払いは必要です。
Q3 労働者が感染者と近くで仕事をしていたため休業させる場合は、会社は休業手当を支払う必要がありますか。
保健所による協力要請等により労働者を休ませる場合は休業手当の支払いは不要、会社の自主的な判断で休ませる場合は、休業手当の支払いは必要です。
Q4 労働者の家族が感染したためその労働者を休業させる場合は、会社は休業手当を支払う必要がありますか。
Q3と同様です。
Q5 新型インフルエンザに感染している疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取扱いは、労働基準法上問題はありませんか。病気休暇を取得したこととする場合はどうですか。
年次有給休暇は原則として労働者の請求する時季に与えなければならないもののため、会社が一方的に取得させることはできません。事業場で任意に設けられた病気休暇についてはその事業場の取り決めによります。

※「労働基準法第26条 休業手当」とは?
使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。

厚生労働省「新型インフルエンザに関連して労働者を休業させる場合の労働基準法上の問題に関するQ&A」はこちら

なお、民間調査機関の(財)労務行政研究所(理事長:矢田敏雄)では、急速に患者数が増え、企業経営にも多大な影響を及ぼす新型インフルエンザについて,企業がどのような対策を講じているのかの緊急調査を行いました。 調査結果の主なポイントは以下のとおりです。

調査結果のポイント
  1. 生活必需品や感染予防のための保護具(マスクなど)の備蓄状況
    4社に3社が何らかの備蓄を実施。「マスクなどの保護具」はほぼ100%,「消毒用アルコール性手指消毒剤」も85%が備蓄。「タミフル,リレンザ(抗インフルエンザウイルス薬)」は全体で12%,大企業では27%が備蓄

  2. 流行時の感染予防策の義務づけ
    上位三つは,「出社時や外出先から帰社時の手洗い(アルコール消毒を含む)」「通勤・外出時のマスクの着用」「海外出張の自粛・回数抑制」

  3. 従業員に感染が確認され,本人を自宅待機とした場合の賃金等の取り扱い
    「賃金を通常どおり支払う(欠勤しても控除がない)」が33%だが,「賃金や休業手当等は支払わない」も22%

  4. 同居家族に感染が確認された場合の,従業員の自宅待機
    「保健所から外出の自粛要請が出された場合は,自宅待機とする」が43%で最多だが,「保健所の判断を待たず,原則として自宅待機とする」も34%あり,大企業では41%に上る。「賃金を通常どおり支払う(欠勤しても控除がない)」が43.5%で一番多い。

調査要領
  1. 調査時期 2009年7月22日~8月8日
  2. 調査方法 (株)マクロミルのアンケートシステムを使用したWebによるアンケート
  3. 調査・集計対象 (財)労務行政研究所ホームページ上の人事労務情報サイト「労政時報クラブ」に登録いただいている民間企業から抽出した人事労務担当者4263人(原則1社1人)。うち,回答の得られた360社を集計

新型インフルエンザに流行は、企業活動においても影響が拡大することは必至です。予防策や罹患した従業員・家族への対策等、実務上の対応が急がれます。

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