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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第60号 平成24年11月1日

寺崎弁護士の法律の窓

川口社労士法人 協力弁護士 寺崎時史氏 Aさんは、「PCスタッフサービス」(以下、「B社」とします。)という会社に雇われ、通信機器開発会社(C社)に派遣されていました。B社は厚生労働大臣の許可を得た一般労働者派遣事業をしている会社で、派遣を希望する労働者を登録しておき、派遣の都度に派遣労働者と派遣期間だけの期間労働契約を締結します(常用型に対して登録型という形態)。ところが、C社は、Aさんに同社が必要とするパソコンスキルが備わっていないとして、B社にAさんの交代要請を行いました。交代要請を受けたB社は、その理由を確認することなく、AさんにC社での就労を中止するように指示しました。B社とC社との間の契約は契約期間途中で解約され、B社も他の派遣先を懸命に探しましたが枠に空きがなく、AさんはB社に解雇されることになりました。
B社は、Aさんから、①解雇は無効であること、②雇用関係はあるのだから、雇用契約期間中の賃金を支払え、③仮に賃金の支払いが認められない場合でも契約期間中の休業手当を支給せよという要求をされました。

まず、本件は期間の定めのある労働契約ですから、解雇が無効かどうかは、労働契約法17条にいう「やむを得ない事由」があると言えるかどうかです。たしかに、派遣契約は、派遣先があることを前提とした契約であり、B社が派遣先を探す努力をしたにもかかわらず、派遣先が見つからない場合、B社としては雇用を切りたいところです。しかし、民法でもやむを得ない事由とは、労働者が私病で労働力の提供ができないような場合と解されていますので、引き続き派遣先を探すべきであり、解雇はやむを得ないとは言えないでしょう。(②、③については次回述べます。)

ひとりごと

私は、若いころテレビドラマにはまっていました。ですから、いまでもたまに見ることがあります。少し前になりますが、月曜日のドラマで、小栗旬、石原さとみさんが主演のドラマの最終回を気分転換に見ていました。
そこでは、小栗さんがIT企業の社長の役でした。会社が急成長し、その中で裏切りとかもあり、会社が倒産しそうになる。そこに、石坂浩二さん演じる歴史のある大企業の社長が出資の援助をしてくれ、小栗さんの会社は救われることになりました。そのとき、石坂さんは、企業の生存率の話を小栗さんにしました。「企業は、創業から30年以内にその99.98%が消滅する。30年後に残っているのは奇跡に近い、奇跡をおこせ」と小栗さんにはっぱをかけたのです。
ただ、企業の生存について、確率みたいにいうことに、少し違和感がありました。なぜなら、企業の生存は運ではなく、社会の必要性とそれに対応し、実行する人の存在だと思うからです。
私どもの事務所は、まだ創業10年を少し超えたばかりです。30年存続できるか、これからも、社会的必要をキャッチして、それに対応できるメンバーの存在を大切にしていければいいなと思っています。

編集後記

3匹の猫と暮らしている。もともと犬派を自認する私はどちらかというと猫は苦手だった。
犬の無条件な従順さとくらべると猫の気まぐれな行動は少々わかりづらい。ただ猫達と生活を共にしているうちに、猫といえどもそれぞれに人格ならぬ猫格のようなものがきちんと備わっていることに気づいた。それがなかなか個性的で興味深いのである。
利発すぎて常に人間の一歩先をよんで行動する猫。圧倒的な存在感で一日中じっと物思いにふける猫。仕事で疲れ、時には落ち込んで帰宅した私の前につかつかと歩み寄り、じっとおすわりして私の話に耳を傾ける猫にいたっては、母親のような慈愛の情すら感じられる。(実は本当に母猫なのだが・・・)
休日の朝もエサをねだられ早朝に起こされ、いたずらがさかんで部屋は荒れ放題、猫と暮らすというのはなかなか大変だ。それでもそんな彼らに知らず知らず癒され、励まされ、愛着を感じている自分に気づく。
ひところ土鍋に入って丸くなる猫鍋というのが話題になった。そんな猫のあたたかさが身にしみる季節、冬がまた巡ってきた。

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