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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第62号 平成25年3月1日

寺崎弁護士の法律の窓

川口社労士法人 協力弁護士 寺崎時史氏

従業員Aさんがうつ病と診断され、長期休職していましたが、「完全緩解した」という診断書を提出して、復職を希望しています。会社として気をつけることはどのようなことがあるでしょうか。

「緩解」という用語は、一般的な意味で完治せずとも、臨床的に「問題ない程度」にまで状態がよくなる、あるいはその状態が続くことを言います。

医師はAさんが職場復帰するまでになったと診断しているのですが、医師がAさんの職場環境を完全に把握しているわけではありません。仕事のストレスによって、Aさんにうつ病が再発することも考えられます。会社に産業医がいない場合、Aさんの承諾をもらって、Aさんの医師と面談し、職場環境を十分説明し、Aさんの復職へのプログラムを策定する必要があります。

当初残業させることは、回避した方がいいでしょうし、将来的にも残業時間の抑制が不可避です。月100時間を超すような長時間残業が3か月も続くようなことがあれば、Aさんが再びうつ病になった場合、労災と認定されることにもなります。会社としては労災問題だけでなく、会社の労働者の健康管理義務違反による民事損害賠償の問題も発生してきます。

診断書だけで、従前の仕事に完全復職をさせていいわけではありません。場合によっては、Aさんの配置転換をすることも必要となってきます。しかし、会社にとっては、配置転換をする適当なポストがないこともあります。だからといって、整理解雇ができるわけでもありません。会社にとっては悩ましい問題です。

ひとりごと

2月18日付の日経新聞の朝刊に、大手商社で初の執行役員になられた茅野みつるさん(46歳。私より若い!)の話が載っていました。その中で茅野さんは、「自分ができることよりも、周囲から与えられた役割を全うすることが重要」とおっしゃっています。同時期のNHK唐沢寿明さん主演のドラマ「メイドインジャパン」でも、唐沢さんが与えられた役割を全うする姿が描かれていました。組織人としてのあるべき姿の一つを見た気がします。
思うに、このような人材は、大企業のような組織がある中でしか育たないのかもしれません。どうしたら、私どものような小さな企業においてもこのような人材を育成することができるのか日々考えることが重要かもしれません。

それと、茅野さんの言葉について一つ感銘したことがあります。茅野さんは役割を、「上司」から与えられたものではなく「周囲」から与えられたものと考えている点です。ここに、茅野さんが命令→服従という関係ではなく、主体的に考え行動していることを読み取れるのではないでしょうか。私も見習わなければならないと感じました。

編集後記

我が家では、週に1度のランニングが恒例となっています。
毎週日曜日は7:30に起床し30分程かけ、日々の運動不足を解消しています。

寒い冬は外へ出るのも億劫でお休みをする事もありましたが・・・そんな日は、家でストレッチをしてバランスを取りました。最近はだいぶ暖かくなり、春の訪れを感じる事が出来ますので、ランニング日和を楽しみながら“日曜ランニング”で健康管理を続けていきたいと思います。

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