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機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第64号 平成25年7月1日

「定額残業代」は合法か?

先日、「定額残業代」にかかわる最高裁判所の判決がありました。定額残業代を採用している会社、今後採用しようと考えている会社様に少なからず関係があるかと思います。そこで、この判決をきっかけに定額残業代について考えてみたいと思います。

取り上げる判決は、平成24年3月8日に出された「テックジャパン事件」です。事件の概要は次の通りです。

原告労働者は、人材派遣業を営む被告会社に雇用されていました。原告と被告の間の雇用契約では、月給41万円で、この中に時間外労働があった場合の割増賃金が含まれるという契約をしていました。ただし、月180時間以上働いた場合には180時間を超えた部分につき割増賃金を支払うというものでした。
裁判で原告は、月の所定労働時間から180時間までの間の分についても割増賃金を支払うよう請求したのです。そして、最高裁判所は、この原告の請求を認めました。

この事件は、雇用管理の分野では注目されているものです。しかし、私はこの事件は特異なものとしてあまり重要視しておりません。
なぜなら、通常、定額残業代という制度導入している会社は、「給与に○○時間分の残業代を含む」というような規定をしているかと思います。しかし、この事件ついて考えると、そもそも労働時間は月によって違います。従いまして、各月の所定労働時間が変動する以上、各月所定労働時間から180時間までの時間数は変動するのです。このような不確定(不明確)な制度は認められにくいと考えるのが理に適っているのではないでしょうか。

そこで、どのような制度が適切なのか考えてみたいと思います。

定額残業代

です。
この中で、訴訟リスクの視点から最も適切な明示方法はどれかを考えてみたいと思います。

労使の紛争で一番のポイントは明確性ではないかと私は考えています。そこで、上記4つのパターンをみてみると、「○○時間分」というような、時間で明示しているものがわかりやすいように思えます。しかし、そうでしょうか。ここでいう明確性とは、割増賃金が適正に支払われているか否かがわかりやすいか否かということです。時間で明示されているものは、そのまま鵜呑みにすれば別ですが、まず、その手当なりが、本当にその時間分で正しいのか確認する必要が出てきます。つまり、確認が面倒であり、わかりやすいとは言えないということです。
また、給与に含まれていると明示する場合と、別途手当として明示する場合では、手当として明示する方が検証しやすいということになります。

従いまして、上記4つは分かりやすい順で④③②①となります。
そこで、私どもとしましては、定額残業代の制度設ける場合、④の別手当金額明示方式をお勧めしています。

なお、このような制度を設ける場合、各労働者の方との雇用契約書において明示し、さらに就業規則への明示も必要となりますのでご注意ください。

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