本文へジャンプ

機関紙 KAWA-RA版 労務管理や社会保険に関する話題の情報を、
タイムリーにお届けする当事務所オリジナルの機関紙です。

第141号 令和8年5月1日

伴弁護士の法律の窓

【テーマ】

外国人従業員と就業規則翻訳の必要性

【質問】

日本語が分からない外国人を雇用していますが、就業規則は日本語で作成されています。外国語の就業規則を用意しなくても、就業規則を従業員に周知したことになるのでしょうか?

【回答】

1 常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければなりません。
そして、就業規則は労働者に周知されていなければならず、周知されていない就業規則は効力を持たないとされています。
周知の方法として以下の方法が労働基準法施行規則に定められています。

①常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること。
②書面を労働者に交付すること。
③データ化し、パソコンなどで閲覧できるようにすること。

2 それでは日本語を理解できない外国人労働者がいる場合、日本語の就業規則を閲覧できる状態にしただけで、就業規則を周知したことになるのでしょうか?
外国人労働者が、日本語の就業規則を閲覧できたとしても、その内容を理解できなければ、周知の意味がありません。したがって、日本語の就業規則しかない場合、周知の要件を満たしていないと判断される可能性があるでしょう。

3 しかし、会社としてどこまで外国語の就業規則を用意しなければならないのか、明確なルールや線引きがありません。
たとえ日本語の就業規則しかなかったとしても、翻訳アプリが発達している昨今の状況を考えると、就業規則が効力を持たないと判断されるのか不明です。
裁判になれば、外国人労働者の割合、日本語理解の程度、個別の説明状況、周知の具体的方法などの事情を総合的に判断して、就業規則に効力を認めるのかが判断されることになると思われます。

4 なお、厚生労働省は、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」を作成しており、その指針の中には「事業主は、外国人労働者との労働契約の締結に際し、賃金、労働時間等主要な労働条件について、当該外国人労働者が理解できるようその内容を明らかにした書面を交付すること。」という規定があります。「外国人労働者が理解できるよう」という記載があることから、日本語を理解できない外国人労働者に、理解できる言語で記載された書面を渡すなどの配慮が必要になります。
このような指針の趣旨に照らしても、日本語を理解しない外国人の従業員がいる場合、その従業員が理解できるように外国語の就業規則を作成しておくべきです。

ページ先頭に戻る

機関紙 KAWA-RA版

社会保険労務士法人ご案内
東京事務所
〒104-0032
東京都中央区八丁堀4-2-1
東京リアル宝町ビル5F
TEL:03-3551-6311
FAX:03-3551-6312
横浜事務所
〒231-0012
横浜市中区相生町6-104-2
横浜相生町ビル10F
TEL:045-210-9260
FAX:045-210-9261

SRC 認証番号080473